5V→3.3Vレベル変換に分圧抵抗を使う際の一工夫
電圧の違う回路同士で信号をやり取りする際に、レベル変換回路というものを間に挟む。 高い電圧から低い電圧に落とすだけでいい場合、具体的には、5V回路から3.3Vのマイコンに信号を入力する際、よく下図のような抵抗分圧を使った回路をよく組む*1。
この回路は、抵抗を挿入するだけで実現できるのでお手軽だが、高周波数信号では波形がなまってくる。 1MHzを超えたあたりから波形がなまって使い物にならなくなってくる。 例えば、SPI通信のクロックは10MHz等が使われるので、この問題は無視できない。
単純な分圧回路に周波数の異なる5V矩形波を入力したときの波形を以下に示す。Ch.1(上)が入力、Ch.3(下)が出力。 10MHzを分圧したときは、もはや矩形波というより三角波に近くなっている。
このような時、20~30pF程度のコンデンサを追加して補正すると良い。
以下、30pFのコンデンサを追加したときの波形。ちょっと過補正気味だが、単純な分圧回路と比べて形が保持されていることが分かる。 これはオシロスコープの10:1パッシブプローブを使う前にキャリブレーションを行うのと同じ原理だと思う*2。
使用機材
機材 | 型番 |
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信号発生器 | FeelElec FY6800 |
オシロスコープ | Siglent SDS1104X-E |